Infinite Information
『その装置ってほかにはないの』

「特殊な通信機は基地にしかないの。
この国にいる幹部に持たせている通信機とも違うものだし、信号の暗号も今はわからないの。
世界にいる部下がどこにいるのかも確認できない状態だし………
それに私はちょっとした有名人だから………
動くことができないし………
基地に戻ることもできない」

『そうなんだ』

「どうすればいいかな」

『山本に連絡してみたら………』

「山本………
そういえば、山本に最近会ってないわね」

『山本は伊藤の指示で世界を旅しているんだ』

「どうして………」

『わからない。
この前の事件が起きる前にはもう『ヘブン』にいなかったんだ』

「山本とは連絡が取れるの」

『うん、山本からの連絡は定期的に来るんだ。
今日も午後の五時に連絡が来る予定だよ』

「そうなの、私に連絡をつないでほしいんだけど………」

『いいよ』

「ありがとう。
でもいいの。
伊藤とかには相談しなくて………」

『いいんだ………
伊藤も言ってたから。アカネにできるだけ協力しろって』

「そうなんだ。お父さんは元気」

『うん。元気だよ。
今は病院の地下で筋トレしているよ。
病院が息苦しいらしい』

「ねえ、あなたたち『C』は何をしようとしているの………」

「ごめん、それだけは話せないんだ」

『そう、ありがとう。
連絡が来たら、私の方にも連絡できるように電話番号教えておいて』

「わかった」


私は連絡先を教えた。


「ミコト、この前のことなんだけど」

『何』

「あの時はごめんなさい」

『いいんだ。
ああなることも予測していたから………』

「そう、ならいいの」

『辻本もだいぶ疲れているようだけど………』

「大丈夫………
それじゃあ、よろしくね」
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