Infinite Information
俺はこんな困った顔をする父親を見たことがない。


「タクヤ、お前はこの国から出ろ」

「ハッ………」

「今日の会議で『W』と協力することになった。
つまり、いつお前が国に掴まるかわからない。
今のうちに『ヘブン』から逃げるんだ」

「馬鹿言うなよ」

「『W』が協力したいなら、条件が一つあると言われた。
その条件が『会社を貸せ』というものだ」

「乗っ取るってことか」

「いいや、本社を使って何かをするらしい。
国を動かすほどの………」


親父は俺に初めて頭を下げた。


「タクヤ…お前だけでいいから…逃げてくれ」


俺はそんな父親の姿を見て、悲しくなった。
< 200 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop