Infinite Information
―――翌日
朝起きると伊藤が家に居た。
今は冬休みなので学校に行かなくてもいい。
伊藤には家の鍵の隠し場所を教えているのでいつでも家に入れる。
僕は「おはよう」と一声かけて昨日ナナミから言われたことを話した。
伊藤は僕の話を聞き終えると考え始めた。


「伊藤、どうなってるの………」

「たぶん、俺達の行動に対して賛成の者が自発的に行動したんだろう」

「じゃあ、『C』とは関係ないことなの」

「ああ、これは活動開始前から予測していたこと。
まさかこんなに早く起こるとは思わなかった」

「どうするの」


伊藤は答えない。
たぶん、予測はしていたが対処方法が見つかっていないのだろう。
伊藤は僕の方を見た。答えが出たのだろうか。


「俺はこのことを予測していたが、答えが見つからないんだ」


僕は長年一緒にいると考えていることがわかるようになるものだと思った。


「真似したやつらと話をしてもいいが危険だ。
逆に無視をすると『C』に影響を及ぼす。
また仲間に入れた場合、組織の人数は増えるが管理が難しい。
今は信頼できる四人だからこそ組織が成り立っているんであって、人数が増えると色々問題が生じる」

「で、どうするの」

「しばらく様子を見よう」

「わかった」


僕は伊藤と朝飯を食べてから、ナナミに伊藤と話したことを伝えた。
辻本と山本にも伝えた。
伊藤は朝ご飯を食べるとどこかへ出かけて行った。
僕は伊藤がどこに行ったかは知らない。
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