Infinite Information

―――そして、隕石の落下
計画は失敗した。
だが、隕石を砕き、計算された落下軌道を変更させた。
隕石の一部が地上に落下。
落下軌道を大きく逸れたため、地下の避難所を直撃…………
人々によって『選ばれた人』は生き残らなかった。
隕石のことを後に、『選択の石』と呼んだ。
『人々』が人を選ぶのではなく、『石』が人を選ぶのだと。




生き残った人々はただ生きることだけを考えた。
人々は少人数で暮らし、他の人を探すため日々歩いた。
気がつくと一つの村ができた。
破滅の世界から二百年後のことだった。
平穏な暮らしをしている中で、一人の男の子が生まれる。
彼は生まれながらに『力』を操ることができた。
人々は子供を『神』とした。
『神』は20歳になったとき、村の者達に言った。

『私は特別な人間ではない。
皆一人一人に見えざる力を持っているのだ』

人々は神の教えに従い、自身の持つ『力』を開花させようと日々訓練する。




ある日、一人が『力』を開花した。
その後、次々に『力』を開花させた。
人々に夢を与えた『神』は自分の役目が終わったと悟り、命と引き換えに滅んでしまった文化の記憶を一人の男に与えた。
男は『神』から与えられた記憶から滅んだ世界を再構築することを生涯に捧げた。


絵を書き、文字を書き、人から人に技術を伝授した。
反対するものはいなかった。
『神』が与えたことなのだから間違いないと人々は確信した。
『神』が望んだ世界は50年で完成させる。


『神』が導いた『力』を人々は『才能』と呼び、
『人としての価値を象徴するもの』とした。