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1. 『同窓会』の思い出

アキトが産まれて数日後

私は病室で夫を待っていた。
病院から出ることになるのは何日ぶりなのかと考えてしまう。
この十年、色々なことがあった。
夢のような時間だった。
楽しい時、辛い時、苦しい時…
もう、思い残すことはないとさえ思えた。


服を着替え、外出の支度をした。

身の回りをきれいにして、迎えが来るのを待った。


トントン…


私はドアを見た。

「はい」と言うとドアが開いた。

ドアが開き、現れたのは夫だった。


「ナナミ、そろそろ時間だよ…」

「うん」


私は鞄を持ち、夫の方へ向かった。


「大丈夫。身体の調子はどう…」

「今日は大丈夫。
それにこの日を楽しみにしていたから」

「わかった。鞄持つよ」


そう言うと、夫は私の鞄を持った。


「ありがとう」


私は夫に感謝の気持ちを込めて言った。


「いいんだ。早く行こう。
皆が待っているから…」
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