Infinite Information
伊藤君は皆に囲まれていた。

夫は椅子に座っていた。


「大丈夫。
調子が悪いなら横になったようがいいよ」

「大丈夫。
ちょっと頭がクラクラしただけだから…」

「そう…」


私は夫から離れて高校時代の友達に話しかけに行った。


「エミ…」


高校時代の知り合いに話しかけた。

友達は私の方を見ると嬉しそうな顔をした。


「ナナミー、久しぶり。
十年ぶりだよね」

「うん、エミは元気だった」

「元気よ。
仕事と恋愛を楽しんでいるわ。
ナナミこそどうなのよ」

「私は夫と暮らしているわ」

「いいなー、
私も頑張らないとなー。
皆、二十七歳で結婚した人としてない人とに分かれる時期じゃない」

「エミにだって、すぐに出会えるよ」

「ダメよ。なかなか気にいる人がいないの。
今付き合っている彼氏だって、付き合うのは楽しいけど…結婚を考えると…ちょっとねー」









私は十年ぶりに再会した友人達と思い出話、最近の出来事等を話した。
皆、高校時代とは違い、身だしなみには気を使っていた。
皆、ドレスやスーツを着て、化粧やワックスを付けていた。
皆、大人に成長していた。
そんなことを話しながら考えていた時…


会場の扉が開いた。


誰だろうと思い、友達達と一緒に扉の方を見た時、この会場に来るような格好ではない男が入ってきた。
男はリュックを背負い、マントを着ていた。
< 311 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop