Infinite Information
「山本、邪魔しないで…」

「いいや。
俺は伊藤と契約した以上、情報の流出はさせない」

「意味わからないわ」

「すまない。山本。
少し油断した」


伊藤君は椅子から立ち上がった。


「今は話せないんだ。
だけど、いづれは皆に話す。
それまで…
待ってくれないか」


伊藤君は私達に視線を合わせた。

私は伊藤君を信じていた。
私と伊藤君が目指すものは同じだと思ったから…
皆も伊藤君を信じていると思えた。


私達は何も言わなかった。


「ありがとう」

伊藤君は会場を見渡した。


「そろそろ、解散するか」


伊藤君は一人一人に声を掛けた。

アカネは酔いつぶれているヨシトさんを起こして、車を用意するように指示した。

私と夫は二人の行動を眺めていた。

椅子に座っていると、山本君が私達に話しかけた。


「神山、ナナミ。
俺はここでお別れだ」
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