Infinite Information
「山本君…」

「伊藤との契約も済んだ。
俺がこの国に居続ける意味もないしな。
それに俺はこの国は合わない」


山本君は自分の腕に付いている『キャンセラー』を見つめた。


「次に戻ってくるのはいつ頃になりそう」

「さあな。気が向いたら戻ってくる」


私は山本君と握手をした。その後、夫に話しかけた。


「神山、お前とは、『ヘブン』の外で会えるよな」

「うん、今まで通りの仕事をしていれば…」

「無理するなよ」

「わかってる」


山本君は夫とも握手をした。


「じゃあな、二人とも…」


山本君は私達に背を向けた。

そして、歩きだした。
ドアを開けようとした時、私達に振り返り大きな声で

「言い忘れてた。結婚おめでとう」と言った。


その後、山本君は会場から立ち去った。
< 333 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop