Infinite Information
5. 『訓練』の思い出
山本君は席に座った参加者を見渡した。
私は山本君がどうしてガイダンスの教官なのかが知りたくてアカネに尋ねようとした。
でも、話しかける前に山本君が話し始めたため、聞くことが出来なかった。
「まず始めに自己紹介から始める。
特務調査部隊隊長の山本タクヤ。
仕事内容は肩書の通り調査をすること。
そこに座っている『W』総長の権限でこの世界、仮想世界と現実世界を行き来できる者だ」
沈黙していた参加者がざわめき始めた。
私も動揺した。
今まで山本君が何をしているのかを知らなかったからだ。
「静かに」
山本君はざわめいている参加者に注意をした。
すぐに部屋内は静まり返った。
「これまでに三度現実世界へ行っている。
そのため、誰よりも現実世界に詳しい。
今回はガイダンスの教官兼最高責任者の任に付かせてもらう。
俺がなぜ、この回のみ任に付くか分かるか」
山本君は皆に考えてもらうようにしばらく時間を空けるから話し始めた。
「ここにいる参加者が俺達、調査部隊の次に現実世界へ行くからだ」
山本君の言葉が重く感じるようになった。
「訓練プログラムは現実世界の環境ができていることを前提に訓練される。
だが、ここにいる参加者はその環境が無い状態だ。
そのため、経験者が担当しないと意味がない」
話し終わると、壇上に置いてある荷物をあさり、資料を出した。
「自己紹介はここまでだ。
これからガイダンスを行う」
山本君は資料を見ながら解説し始めた。
「まず、訓練施設の使い方として、受付で渡されたカードを常に持ち運びしなければならない。
施設はセキュリティーが厳重のため、紛失した際には施設利用は行えない。
再発行も不可だ。
また、このカードは現実世界へ行くときの切符としても扱う。
すなわち、現実世界への切符を失うことになる。
肌身離さず持つこと」
私はカードを見た。
この小さなカードが切符だと再確認した。
私は山本君がどうしてガイダンスの教官なのかが知りたくてアカネに尋ねようとした。
でも、話しかける前に山本君が話し始めたため、聞くことが出来なかった。
「まず始めに自己紹介から始める。
特務調査部隊隊長の山本タクヤ。
仕事内容は肩書の通り調査をすること。
そこに座っている『W』総長の権限でこの世界、仮想世界と現実世界を行き来できる者だ」
沈黙していた参加者がざわめき始めた。
私も動揺した。
今まで山本君が何をしているのかを知らなかったからだ。
「静かに」
山本君はざわめいている参加者に注意をした。
すぐに部屋内は静まり返った。
「これまでに三度現実世界へ行っている。
そのため、誰よりも現実世界に詳しい。
今回はガイダンスの教官兼最高責任者の任に付かせてもらう。
俺がなぜ、この回のみ任に付くか分かるか」
山本君は皆に考えてもらうようにしばらく時間を空けるから話し始めた。
「ここにいる参加者が俺達、調査部隊の次に現実世界へ行くからだ」
山本君の言葉が重く感じるようになった。
「訓練プログラムは現実世界の環境ができていることを前提に訓練される。
だが、ここにいる参加者はその環境が無い状態だ。
そのため、経験者が担当しないと意味がない」
話し終わると、壇上に置いてある荷物をあさり、資料を出した。
「自己紹介はここまでだ。
これからガイダンスを行う」
山本君は資料を見ながら解説し始めた。
「まず、訓練施設の使い方として、受付で渡されたカードを常に持ち運びしなければならない。
施設はセキュリティーが厳重のため、紛失した際には施設利用は行えない。
再発行も不可だ。
また、このカードは現実世界へ行くときの切符としても扱う。
すなわち、現実世界への切符を失うことになる。
肌身離さず持つこと」
私はカードを見た。
この小さなカードが切符だと再確認した。