Infinite Information
「『肉体強化系』ってこと」

「うん、ただ『活性』する場所が問題なの」

「どこなの」

「脳なの………」

「………」

「ミコト君は予知能力って知ってるよね。
たとえば正夢のようなもの。
あれと少し似ていることが私にもできるの」

「つまり、未来が見れるってこと………」

「ううん、未来は見えないの」

「じゃあ、何が見れるの」

「条件から導いた可能性」

「ごめん、よくわからない」

「たとえば、私たちの上を飛んでいる鳩を見たとき、一般の人は何を思い浮かべる」

「鳩だよ」

「ほかには」

「空を飛んでいるってことぐらいかな」

「私の能力は無限の可能性を考えてしまうの。
その鳩がどんな鳥なのか、どこへ向かっているのか。
そしてどうなって死んでいくのか………
それが無意識に行われるの」

「そんな能力があるんだ」

「私ね………
能力を使いたくないからミコト君と同じように『キャンセラー』を付けているの」

「そうなんだ」

「親は能力が制御できないと思っていたらしく、能力を制御できるようにしばらく入院させられたの。
でもそのおかげでミコト君に会えた」


ナナミは微笑んだ。
僕は嬉しかった。
あの時出会えたことを………

「でも、その能力のおかげで今は助かっているの」

「どうして」

「少し前に、『W』に掴まったことがあったよね」

「うん」

「それに『R』のこと、『C』のこと、それに『ミコト君』のこととか様々なことを条件にして能力を使ってみたの」

「つまり、今後の世界の可能性を予測したってこと」

「そうなの」

「結果はどうだった」

「二つに答えが分かれたの」

「………」

「一つは平和な世界になって、もう一つは世界が滅んでしまう世界になるの」

「二つに分かれる原因はなんだったの」

「『神山ミコト』が大きな存在なの」
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