Infinite Information
私は『神山ミコト』に決闘を挑んだ。
これは『神山ミコト』と『W』の勝負だ。
世界と戦う千人以上の部下の頂点に立ち、世界を導く者として『神山ミコト』の力量を知るためだ。
この勝負に負けたのならば、全てのことを認めるしかない。


「いやだ………」


人の決意を無視した答えに苛立ちが募る。


「僕は戦いたくない」

「これから世界と戦う『超越者』さんが何を言っているの」

「僕は………
辻本とは戦いたくないんだ」

「………」

「それはナナミだってそうだ」


私のイライラが頂点に達してしまいそうだ。
何かあるとすぐにナナミを出してきた。それを聞くのが嫌だ。


「それじゃあ、今までの話はナシね」

「ちょっと待て」

「マサ、あなたたちの話は全て『神山ミコト』が中心の話でしょ。
彼の力をこの目で見るまでは賛成しないわ」

「それじゃあ困るんだ」

「私は困らない」


部屋に沈黙が流れた。
順調な話が一気に止まってしまったからだろう。


「それなら、ミコト。
アカネと戦ってくれ」

「いやだ………」

「ミコトは何もしなくていいから」

「………」

「アカネの攻撃が終わるまで待てばいい。
それでどうだ」

「それならいいよ」

「よし、さっきの話だが、ミコトは勝負するぞ」

「………」

「いつ勝負をするんだ」

「明日の午後十時に私立青竜学園の校庭」

「わかった」

「私はあんたを殺す気で行くから、覚悟しておいて」

「うん」


私はこの奇妙な集団の居る部屋を出ようとした。

入口には森下がいた。


「森下、あとで話がある」

「わかりました」


私は部屋を出てまっすぐ家に帰った。
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