不良彼氏〜金髪と天然〜
アツ兄たちと一緒に海に行ったっきり、小沢くんと会ってなかったせいか、隣にいるだけで胸がドキドキする。
「ひ、久しぶりだねー!」
「ん、そだな」
「小沢くん、夏休み楽しかった?」
「ん、まあまあ」
「あたしはねー、歌穂といっぱい遊んだよ、あと中学の頃の友達とも遊んだんだ」
ひたすらパンを食べ続ける小沢くんをよそに、あたしは1人でひたすらしゃべり続けた。
「あ、あとあたし追試受けなきゃいけなくなっちゃってさー、補修も受けたんだよー!」
「……。」
それに対して小沢くんは相づちすら売ってくれない。
「それで、康輝く、あ、広谷康輝くんって人も一緒だったんだけど、同じ補修でも康輝くんはすっごく頭良くてさ、補修受けてるの信じられないくらいなの!」
あたしが康輝くんの名前を出した瞬間、今まであたしの話なんか見向きもしない感じでパンを食べていた小沢くんが反応した。
「…は?」
「え?どうしたの小沢くん」
小沢くんはあたしをじっと見たまましばらく何も言わなかった。
「なあ、今広谷康輝が補修って言ったよな?」
口を開いたのは5分くらい経った後。
「うん。言ったけど、なにか問題あるの??」
あたしがそう言うと、小沢くんはチッと舌打ちをした。