たった一つの流れ星
まだ日も完全に落ちていない時間に佑二は家のドアを開けた。こんな早い時間に帰るのはいつぶりだろう。
「ただいま…」
佑二が家に入ると、仕事を辞めた亜紀がリビングでテレビを見ていた。
「お帰りなさい。あれ?今日早いね?」
「…うん」
「こんなに早いなら連絡くれれば良かったのに。待ってて、今ご飯作るから」
亜紀は立ち上がるとエプロンをつける。
リビングのテレビには亜紀が保育士の時に面倒を見ていた子ども達のビデオが流れていた。亜紀が辞める時に職場の仲間にプレゼントされたらしい。
「これ見てたのか?」佑二はキッチンに入った亜紀に聞いた。
「うん、まだそんなに日が経ってないんだけど見てたら懐かしく感じちゃって」
佑二は無言でテレビを消した。
「ちょっと~、後少しで終わりだからつけといてよ~」
佑二はゆっくり亜紀に向き直る。無表情だ。
「亜紀、お前こんなの見てホントは保育士辞めたくなかったんじゃないのか」
「え?」
佑二は今まで唯一気になっていた質問をした。
「ホントは保育士を続けていたかったんじゃないのか?」
「そんなことないよ!佑くんと結婚したら仕事辞めるつもりだったよ!」
「オレが辞めてくれってお願いしたから辞めただけなんだろう?今でもホントは未練があるんじゃないのか?」
佑二は結婚する時に亜紀に仕事を辞める様に言っていた。佑二一人の稼ぎで充分生きていけたし、子供が出来たら育児に専念してほしかったのだ。
「ただいま…」
佑二が家に入ると、仕事を辞めた亜紀がリビングでテレビを見ていた。
「お帰りなさい。あれ?今日早いね?」
「…うん」
「こんなに早いなら連絡くれれば良かったのに。待ってて、今ご飯作るから」
亜紀は立ち上がるとエプロンをつける。
リビングのテレビには亜紀が保育士の時に面倒を見ていた子ども達のビデオが流れていた。亜紀が辞める時に職場の仲間にプレゼントされたらしい。
「これ見てたのか?」佑二はキッチンに入った亜紀に聞いた。
「うん、まだそんなに日が経ってないんだけど見てたら懐かしく感じちゃって」
佑二は無言でテレビを消した。
「ちょっと~、後少しで終わりだからつけといてよ~」
佑二はゆっくり亜紀に向き直る。無表情だ。
「亜紀、お前こんなの見てホントは保育士辞めたくなかったんじゃないのか」
「え?」
佑二は今まで唯一気になっていた質問をした。
「ホントは保育士を続けていたかったんじゃないのか?」
「そんなことないよ!佑くんと結婚したら仕事辞めるつもりだったよ!」
「オレが辞めてくれってお願いしたから辞めただけなんだろう?今でもホントは未練があるんじゃないのか?」
佑二は結婚する時に亜紀に仕事を辞める様に言っていた。佑二一人の稼ぎで充分生きていけたし、子供が出来たら育児に専念してほしかったのだ。