~ ☆プレーチェ★ ~
「ちゃんと約束を果たすまでは帰らない!!」
「は? 約束??」
「そうだよ! 月菜は聖ちゃんの心を癒しに来たの!
何もしないままなんてイヤ!! 離れたりしたくない!
絶対出て行かないもん!!」
「なんだそれ、訳わかんねぇ!
いい加減にしろよな、ふざけてないで出て行け!!」
「出て行かないったら、出て行かない!!」
ギャーギャーのやり取りになっても、どんなに怒鳴ったり強く睨んだり、拳をあげて見せてもだ!
ガキはどこまでも捻った性格なのか、まったく怯むこともなくて
むしろかかって来いと言わんばかりのずっと強くキッとした翡翠色の眼を向けてくる……。
「チッ、このままじゃキリがねぇ……」
こんな会話を繰り返していれば、ただの時間の無駄だ。
今ごろになってこんなことも感じ初めて、余計に疲れを増すのを身に受けながら
ドンドン倍増していくイラつきが隠せないまま、どうしたものかと本気で悩みそうになった時。
「聖! 帰ってるの?」
部屋に向かって歩いてくる足音と、母さんの声が聞こえてきた。
「そんなに大声を出して何してるの?
ご近所にご迷惑かかっちゃうでしょ!」
人がこんなに必死になってるのに、呑気過ぎる声で頭にくる~。
家の留守もまともにできてない結果、部屋にガキなんか侵入させといて、よくそんなことをブツブツ言ってられるな、クソババァ~~……。
俺は怒りのあまりに爆発寸線の母への言葉を腹にためながら
母さんが部屋の中に入ってくる前に扉の前に立っているガキを横に突き飛ばして部屋を開けた。
「母さん、誰だよ!? 何でここにいるんだ!?」
「えっ?」
危うく母さんにぶつかりそうになったけど、そんなのこの際関係ない。