~ ☆プレーチェ★ ~
いきなり目の前に俺が出てきて怒鳴るから母さんの身体は小さく跳ねて後ろに後退しながら俺を見上げてきて
首を傾げて不安そうな顔を見せてきた。
「い、いきなり何のことを言ってるの?
誰もこの家にはいないわよ。
今日の店のお客様も皆さん帰って行かれたし……」
心配そうなに見られても、今の状態を聞きたいのは俺なんだって。
全然まとまらない現状に俺はまたイラッときて、
「はぁ? 母さんまでふざけてるのか!?
じゃあ、今ここにいるこいつは一体いったい誰なんだよ!?」
と、部屋の入り口のすぐ横にある部屋の電気スイッチを押してこいつの姿を見せてやろうと思った。
ただ、暗闇の部屋に眼を戻した一瞬その一瞬
突き飛ばしたはずのガキが立ってこっちに体を向けて
銀色に光っているように見えたんだ……。
しかも、何か両手に握って、眼を閉じて祈るように顔を下に向けていた……。
真っ暗な部屋は外から吹き込んでくる冷たい風と青白い月光が入り込んできて
それらを背後にしていたガキの背中からうっすらと白い羽が2枚見えた気がした……。
「!!?」
眼を疑って思わず眼をこすってると、スイッチにあててた手に力が入ってしまい
パチンッと部屋の電気がついてしまった。
「あっ!」
しまった!
と慌てて消そうとしたが、入り口を塞ぐ俺の体を母さんが押した。
「なによ、誰がいるって言うの?」
「わ、ちょっと待て…!」
もし今のが眼の錯覚じゃなかったら、母さんに見せるわけにはいかない!
今のを母さんも見たら、絶対混乱する!!
だからさっきの前言を撤回して、ガキは俺一人で片付ける覚悟を決めたまま
入って来ようとする母さんを部屋の外に押し戻そうとした。
なのに後ろのガキときたら……!!
「ねぇねぇ、何をそんなに慌ててるの? 聖ちゃん」
なんて言いながら、すぐ背後から顔を覗かせて母さんに声をかけてきた!!?
当然、母さんは中のガキに気づいてしまい。
「あら?」
……このバカガキッ!!
人のやってることを何だと思って……!
ぶん殴ってやりたかったが、今はとにかく後ろのガキを見た母さんが驚いてないか確認しないとっ。
「かあ……」
「月菜ちゃん、あなたこんなところにいたのね」
「はっ!?」