~ ☆プレーチェ★ ~
何なんだホントに!
こいつを家に住まわすのが当たり前!?
従妹だからだって!?
更には聞いたこともない奴の名前まで出てきて
知ってるだろみたいに言ってきて……。
「あの、千麻さん」
何をどうしたらこの訳がわからないだらけの状態から開放されるのか
真剣に考えている俺の耳に、ガキが母さんを呼ぶ声が聞こえた。
「ん? どうしたの、月菜ちゃん」
言い出しにくそうに話してるガキが
少しでも気を楽にできるようにと微笑を浮かべて答える母さんに
ガキは俺の方をチラッと見た。
「…聖ちゃん、月菜が久しぶりに家に来たのに
その上、急にここでこれから暮らしていくんだなんて教えちゃったから
いろいろ混乱して今の状況に追いつけていないんですよ」
「なっ!?」
予想外の言葉にビックリして
すぐカッときた!
〝何を言い出すんだ、こいつ!!〟
と言って、またコートの襟を掴みあげてやろうとも思った程だ。
でもそのとき……
〝黙ってて!〟
「!?」
いきなり頭の中に甲高い声が響いてきてギョッとし
出そうとしていた片手でバッと片耳を押さえて
周りを見た。
「な、何だ!?」
「どうしたの?」
心配そうな声で母さんが聞いてくるから見たが
母さんには俺みたいにさっきの声が聞こえこえてないみたいだった。