~ ☆プレーチェ★ ~
「月世界って……あの月の世界か?」
「え?」
空を見上げたまま動かなかった聖ちゃんが急にそんなことを聞いてくるから
一瞬何のことかと思ったけど……。
今の会話から空に浮んでいるものがすぐ頭に想像できたから分かった。
聖ちゃん、今月を見てるんだね。
でも……。
「違うよ」
月菜もそこから窓を見つめて言った。
「月はこの世界に存在する星のこと。
でも月世界は月の光、月光から生まれた
こことは別の世界」
「月光?」
「そう。 月光が今いるこの世界と月菜達の異世界を繋いでいる。
月天使はみんな月光の力でこの世界の住人を助けてるんだよ」
「みんなって……その天使とかって
あんた一人だけじゃないのか!?」
聖ちゃんがこっちを振り向きながら聞いてきた。
って、一人だと思ってたの……?
「あたりまえじゃん! いくら月菜が優秀でも
そんなに無限にある住人達の心を
一気に助けることなんかできないよ!」
「優秀って……」
あ! 今、聖ちゃんってば、
〝いったい誰のことだ?〟
みたいな顔してる!!
「ホントの事だもん!
月菜はホントに……!」
「はいはい。そんなことより」
あーもー! ちゃんと聞いてよ!!
しかもそんなことって!!
やっぱりひどい……(泣)
「その助けるとかってどういうことなんだ?」
月菜の心なんてお構いなしにそんなこと聞いてくるんだから……。
ハァ……
まぁ、いいけどね。
それこそ、これは仕事だし。