~ ☆プレーチェ★ ~
だから慌ててガキの上から体どかして、ベッドから下りる。
うわっ、やっぱり何か誤解してるぞ、この人……。
ん?
ちょっと待て……。
「おいっ!こういうことって、どういうことだ!?」
何か含まれている感じがする言い方に、俺が問いを出せば
母さんは俺を一度見てから、また笑みを浮かべて月菜の方をチラッと見た。
「どういうことって、私は朝、起きるのが早かった月菜ちゃんが
あなたを起こしに行く!って言い出したから
もしできるならお願いするわって言ったのよね」
「はい!
お任せをって言いました!」
ガキは横にしていた身体を上半身だけ起き上がらせて
母さんの問いかけに笑顔で勢いよく片手を上げて答えた。
……てか、このガキは……
今がヘンな誤解の漂う空気の中でやり辛いっていうのに
全く状況の分かっていない満面の笑顔を浮かべているし……。
「何が『お任せを』だっ!」
「アタッ」
結局あんたのせいかよっ!
叩かずにはいられず、手の平で笑っているガキの頭を叩いた。
手加減はしてやっても、ガキにとっては痛かったらしく
頭に手をあてて涙目で俺を見上げてきた。
そしたら…
「こら、聖!」
「いてっ!」
っと、今度は母さんがな俺に怒鳴って、俺の頭を強く叩いてきたっ…。
痛ってぇ~~!
こっちはグーだし…!
あまりの痛みで呻く俺にかまわず
母さんはガキの手を取って心配そうに顔を覗き込んだ。
「大丈夫?月菜ちゃん」
「月菜は平気だけど、聖ちゃんが……」
痛そうなんですけど、と心配半分、怖い半分な眼を俺に向けてくる。
このガキ……
誰のせいだよ、誰の!
頭をおさえていた俺は、フンッとそっぽを向いて、母さんを睨んだ。
「ていうか、勝手に人の部屋に入っていいとか、ガキに言った母さんも母さんだ!
こんな朝早くに俺が起きないことくらい、母さんが一番よく分かってることだろ!」
何しろ今までだってその身で充分、俺が起きろと言われて起きる訳ないことくらい分かってきたことのはずなのに
なんでわざわざ、昨日来たばかりのガキなんかに俺を任せようとか思えたわけ!?
騒ぎになるの分かってたんじゃないのか!?
絶対おかしいぞ!