~ ☆プレーチェ★ ~
まったく話の見えない、記憶にもない会話が淡々と進んでいるから
話の内から外されていた俺が
〝いい加減にしろ!〟
とか言ってやろうかと考えていたら、
〝今ここで聖ちゃんが、そんなこと覚えてないとか言ったところで
千麻さんは聖ちゃんがおかしくなったとしか受け止められないよ〟
口に出す前に頭の中にキィィンッと声が響いてきた。
その声に合わせて、
「でも……聖ちゃんは覚えてくれてないみたいですねぇ~」
なんてことをガキが言っていた。
頭に響いてくる声はまたグラッとくるような覚えのある感覚だった。
頭を片手で抑えてガキを見れば、ちょうどガキと視線が合い
また頭に声が響いてきた。
〝今の千麻さんには最初に月菜を聖ちゃんの従妹として受け入れたときと同じように
セーメを使って聖ちゃんが子供の頃から月菜が傍にいたとか
そういう記憶が入っているんだよ。
だから、聖ちゃんの記憶にもない会話が、次々出てきているってわけ〟
視線に合わない軽い感じの説明がスラスラと頭の中に流れてきて
俺は余計にイラッとしてきた。
〝次々出てくるって、あんたなぁ~っ!!〟
ガキのマネをするように頭の中で文句を飛ばすような言葉を並べてみれば
それは見事に伝わり、メールの返信のように頭に返事が返ってきた。
〝あ、昨日も言ったように、身体に危険なことはしてないよから心配ないよ♪〟
〝そういう問題じゃ……!〟
「そんな落ち込むことないわよ、月菜ちゃん!」
俺達がお互いに表に出さないで
ガキが昨日言ってたところのテレパシーってやつでの会話をしているのにまったく気づかない母さんが
落込むふりをしていたガキの背中を叩きながら言った。
「昔のことを覚えていられない小さな頭ない息子で申し訳ないけど」
「おい、よくもそこまで言ってくれるな(怒)」
「うるさいわね。
……でも、昔のことはもう昔のこと♪
今のあなた達はあなた達で、こうしてうまくいってるんだから、それでいいじゃない♪」
「~~~だから!
何勝手な妄想してるんだよ!!
俺達はどんな関係でもない!!」
「あ~ら?
女の子をベッドに押し倒しておいてよくそんなことを言えるわねぇ?
誤魔化すならもっと上手く誤魔化せないの?」
「あ……あれは、だから……!」
「それに、あなたが月菜ちゃんを好きか嫌いかを確認しなくても
月菜ちゃんがあなたのことをどう思っているのはちゃんとハッキリしてるわよ。
ね、月菜ちゃん?」
「はいっvv」