~ ☆プレーチェ★ ~
仮にそうだとしても勝手なことばかりして、全然助けになんかなってないじゃんか!
こっちの言い分、何も聞く気ないみたいだし!?
最悪だ…………。
もう疲れて、深く息を吸ってからそれを全部吐き出すと
落ちた気分のまま歩いてまたベッドに腰を下ろした。
そしたら、ガキもすぐ俺の前までトコトコ歩いて来た。
いちいちついて来るなよ。
余計疲れる。
両手で顔面を覆って座り込んでたら
ガキが前で立っている気配がハッキリと伝わってきた。
何にも言ってこない……。
……なんだよ。
今度は何がしたいんだよ。
ついていけない……。
考えても考えても、同じ悩みばかりが頭を巡って答えも思い浮かばないし~~!
ハァ~……、疲れた。
朝から、めちゃくちゃだ……。
しばらくそんな風に、ずっと黙って塞ぎ込むように座っていた。
その間中、ガキは何も声をかけてこなかったから、部屋もどこか必要上に静かに感じた。
でっ!
同じ悩みをグルグル繰り返しているうちに、1つ聞きたいことがあることを思い出したんだ。
その答えを知っているのは、やっぱり今前に立っているコイツのはず……。
「……情報を流すってさぁ」
「え?」
こっちは真剣に利いてるのにまたすっごく間抜けな声で聞き返してくるからイラっときて、バッと顔を上げた。
「だから情報!俺とあんたが従妹だってことを俺の知り合い全員に流し込むんだよな!?」
何度も言わせるなよ、と思いながら、ガキの翡翠色の瞳を見上げた。
ガキはそんな俺を、なぜか黙って見つめ返してくるだけだったけど、しばらくの沈黙の後に、
「そうだよ」
微笑みを浮かべて、落ち着いた口調で答えてきた。
何を思っての沈黙と微笑みだったのか疑問もあるが。
今の俺には自分の身のことで頭がいっぱいだったから、
「……本当に、何の害もないのか?」
信用するべきか確信も持てず、半信半疑でまた聞いた。
そしたらガキは微笑みを浮かべたまま
ブンッ!と頭を縦に振って、
「うん!それならまったく問題ないよ。安心して!」
やけに力の入った口調の答えと急なドアップが返ってきた!
「!!」
び、びびったぁ~=3
いきなり顔突き出してくるなよな!
なーんて、俺の心の中の文句なんかまるで聞こえてないようにガキは更に言ってきた。
「月天使の力は守るために使う力だもん!
聖ちゃんの周りの人を傷つけたりしないよ、絶対!
っね?」
〝平気平気♪〟
言いながらもピースまで出して笑ってくる。
それこそアホみたいな間抜け面にも見えてくるその笑顔に
俺はよけい脱力感を覚えて肩を落とした。