~ ☆プレーチェ★ ~
『私が桃とレアチーズケーキ好きだってことを知っててせっかく作ってくれたんでしょ! 喜んで頂きます!』
頬を膨らませながら言った後、すぐケーキにフォークを指して食べ始めた。
“やれやれ……”
と思いながらも、その美味しそうにケーキをフォークで口に運ぶ様子を見ながら、俺も玲亜の前の椅子を引いて座る。
肩肘を立てて手の平で顔を支えながら俺が見てても、玲亜はまったく気にしない。
そりゃもう美味そうにパクパクとケーきを口に運んでくれるから、作った俺に言わせてもらえば、嬉しいことこの上ない。
そんなこと思いながら食べているのを見ていると、ふと玲亜が食べる手を止めて、見つめていた俺の顔を見上げてきた。
『なっ…』
『ねぇ、聖』
『…なんだよ』
『聖のこと大好きだから』
『はぁっ?』
『だから!! こうしておいしいケーキ作ってくれる聖も!
魔法のカップで癒してくれる聖も! みんな大好きよ』
…………。
……そんな……
右の頬にレアチーズのクリームつけて、桃色に染めてるのに、大人っぽく微笑んで真正面から見つめるから……
俺は…。
フイッ、!
あぁ!
また視線が合わせられなくなったじゃないかっ!!
『……聞き飽きた』
『え~、またそんなセリフ?』
格好悪くも、前にも何度も聞いたからと言う理由をつけて、視線逸らしたまま呟いた俺に、玲亜は怒っていたけど、俺は顔を振り向かなかった。
……少なくとも、この頬の熱が冷めるまでは……。
なぁ、玲亜。 俺もお前のことが好きだったんだぞ。
あの時は……お前があまりにも
……綺麗だったから…。
クリームつけてても綺麗だったから……
言えなかったけどな…。
…なのに…どうしてだ……。
……なんで、あんなことに……。
…………俺のせいだ…………。