~ ☆プレーチェ★ ~

 文句があるのか!?みたいな威圧のある視線で更に睨み返してきて、


「これが指輪だってことくらい言われなくても誰だってわかるっつーの!

そうじゃなくて、なんで勝手に指輪が小指にはめられているのか

その理由を聞いているんだ!!何度も言わせるな!!」

 なんて、キンキンに叫びまくるんだもん~;;

 み、耳が痛い………。

 キーンと頭まで響いてきたから、おもわず両耳を両手でギュッと塞いで、その場にしゃがみこんでしまった……。

 
「う、うるさいよぉ~…、そんなに大声で怒鳴らなくても聞こえるのに……」


 なんでいちいち大声で言ってくるのかなぁーー(怒

 今のは小声で言ったつもりなんだけど、聞こえちゃったみたい、聖ちゃんの眉が怒りでヒクつている……。

 あうっ!これ以上怒鳴られたらもっとまずいっ!!

 扉の外側の気配が心配で慌てて立ち上がり、叫び声が放たれる前に月菜は素早くそして大きく両手を広げた。


「?」

『コデスト イン サクラーレ スパッツィオ  バッリエーラ ミオ 

〝我らのこの地を聖なる結界で包み込みたまえ〟』

「っ!?」


 突然の行動に聖ちゃんは訝しげな顔をしたけど、そんなの構っている暇ない。

 この部屋を全部包み込むことに集中して、すぐに結界の呪文を唱えた。

 途端に、足元から力が流れていくのを感じる。


 キラキラと銀色に輝いてく光りが湧き溢れるように現れて

 隙間もないのにフワッと軽い風が吹き上がると

 光りも四方八方へと広がり、あっという間に部屋を包み込むように見えた…。


「なっ…」

「よし!」

 
 とりあえず成功したかな☆ 
 これなら大丈夫だよね♪

 満足気に腰に手をあてて部屋を見回してたんだけど…


「って、よしじゃない!!今度は何をしたんだよ!?」

「あ~も~、また怒鳴る……」


 ハァ~、せっかく達成感に浸っていたのに!

  
「あのねぇ、そんなに大声出して困るのは聖ちゃんなんだよ?」
  

 それがわからない?と、ジッと見ながら訊けば、


「な、なんで俺が困らなきゃならないんだよ…」

 〝確かに大声の出し過ぎだったかもしれないが、俺が困るようなことはしていないぞ!


 と、いかにも言いたそうな反抗的な眼をしてるから、どっちがガキなのかと思ってきたよ………。


「あのねぇ、問題大ありなんだよ?」

「!!」


 口に出して言われる前にキッパリ言ったら、聖ちゃんはなぜか目を大きく見開いて後ろに1歩下がっちゃった…。


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