~ ☆プレーチェ★ ~


 その夜道の中、ふと暗い夜道からも見える夜空の星々が気になって見上げた。

 道に街灯がなく、周りの家の電気も消えてるところが多いおかげで星空が見える。


 キラキラと夜空に光る星。

 俺は星座がよくわからないけど、星空は本当に綺麗だ。

 その中でまた本当に綺麗なのは、星々の中でも強い光を発して輝く月光を放っている満月。

 街灯がないくらい夜道を照らしてくれる唯一の明かりで、結構足元から先や周りも見えるしな、街灯よりも安心するもんだなぁと思った。

 まん丸の満月と月光の光りを綺麗に思うことで少しはさっきまでの過去の暗い思考が和らいでいく気がする……。

 そんなことを考えているうちに、やっと家に着いた。


 ズボンから鍵を出す。


 チャリ

 ガチャッ

 ……バタン


 ハァ……、今日も疲れたな……。


 玄関でコートとマフラーを壁に掛ける。

 ……母さん、やっぱりまだ片付けやってるのか? 

 無意識に店に続く扉にそのまま廊下を歩いて行くと……



 扉の隙間からは光りが見えて、そこを少し開けて見ると思った通り母さんが店にいた。



 やっぱり店の片づけをしていて、どうやら食器洗いをしているようだった。


 ……フンッ


 そんな母さんに話しかけず、黙って扉から離れる。



 声をかけてやる気はない…。


 こっちは眠いんだし、さっさと寝ればいいんだ……。

 

 今来た廊下を戻って階段を上り、自分の部屋へと向かう。


 電気もつけていないから真っ暗だけど、を眼もだいぶ慣れてきてる。



 部屋まで来たらの扉を開けて入った時……。


 
 ヒュ~ッ
 
 ……ん?。

 ヒュ~~~ッ
 

「ッ!さむっ!?」


 何で寒いんだ!?

 ていうか、何で風!??
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