白いベンチ


その後、私はまともに本が読めなくなった。



ただ隣に座るだけ…


なにも話さず…


どれくらい居ただろう…


春風に吹かれ桜の花びらが舞った。


『すげー「すごいー…」』

同時に呟いた私たちは互いを見た。



男はとても優しく微笑むから、私はどうしていいかわからなかった。

耳が熱くなる…







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