白いベンチ
寛貴が階段の踊り場にゆっくりと降りてくる
私は2階
寛貴は3階の教室
なにか用があるときは2階と3階を繋ぐ階段の踊り場が待ち合わせ場所になる
『どしたの?』
相変わらず優しい笑顔にため息がでた
「アドレス教えたでしょ」
不機嫌をなるべく隠して話す
『涼に教えたこと?でも前から友達なんだよね?涼携帯壊れてわかんなくなったって言ってたから。』
私ははぁっと息をはく
寛貴はまたどうしたの?なんて聞いてくる
「どうもしてないよ。寛貴から聞いたってメールきて確認しただけだから。」
私は微笑むと教室に戻る寛貴を見送った