白いベンチ
チョコレート色した髪が視界に入った
『やっぱり咲ちゃんだった!』
(会えた!)
私の真後ろに立ち、顔を覗き込むように見ている
涼平はニコッと屈託ない表情を見せた
金色に近い茶髪が今はチョコレートのようなブラウン色になっている
「髪…色変えたんだ…」
無意識に言葉が出てきていた
涼平は目線を上に少し上げて前髪を摘む
『俺んとこの部活厳しくてさぁ…春休み中はなんも言ってこなかったのに。監督が髪もとに戻さないと坊主にするって言ってさぁ。』
少しふて腐れた表情が子供っぽく見えて、私の鼓動が早くなる