White Witch
さて、あの娘に合いそうな服はあるかな。
二クスが店内をうろうろしていると、店の主人らしい中年女性が出てきた。
「いらっしゃい・・・ってあんた、まだ居たのかい。」
その女は二クスが魔女はどこにいるかと聞いた女だった。
女は嫌なものでも見るような目をしてくる。
「あぁ、先日はども。すまないが、15歳くらいの女の子のサイズのローブと動きやすい服と干し肉とパンが欲しいんだが。」
二クスは女の目線なの気にせずに言う。
女は『15歳の女の子』というのに引っ掛かりを覚えたが、曲がりなりにも客として来ているのでとやかくは言わなかったが、今度は観察されるようにじろじろ見られた。
「生憎、服は今女物が品切れでね、男物しかないんだよ。」
「それなら小さいサイズのを見せてくれ。」
ちょっとまってな。というと女は奥に行って男物の服を持ってきた。
その中でも一番小さいくあまり目立たない服を選んだ。
会計を済ませ店を出ようとするとき、女に引きとめられた。
「あんた、まさか魔女に会ったんじゃないだろうね…」
「さぁ、どうだろう。真っ白い女の子には会ったけど。」
二クスはわざとはっきり言わずにはぐらかす。
その言葉を聞いた女は青ざめ始め
「出てってくれ!!早くこの村から出てってくれ!!!」
急に大声を出しニクスを店から追い出し、勢いよく扉を閉めた。
当然、その声は店の外まで聞こえてて、なんだなんだと様子を窺うように見つめる目線が無数にあった。
二クスがまわりの様子を窺うと外に出ていた人も窓から覗いていた人も家の中へ隠れる。
はぁ、やっちまったか。ってか、魔女見たことあんじゃねぇか。
村の人たちの様子から魔女を見たことがないなんて嘘だということがわかる。