White Witch
その後、宿屋にも寄ったが門前払いに合い、今日は久しぶりにベットでぐっすり眠れると思ったのに。
まぁ、買うもん買ったからいっか。
無数の目線を背中に感じながら二クスは村を出た。
明日は出発できるように渡しておくか。
あんなボロボロの服持っていかれちゃ、余計に目立つ。
そんなことを思いながら、昼間でも薄暗い北の森は夜になると完全な暗闇となる中二クスははっきりと見えるかのように森を進んで行く。
月の光が射すミランダの家がある、泉が見えてくると
いい匂いがする。
匂いにつられるれるように二クスは家へ入っていく。
急にドアが開いたので、驚いて振り向くと犬のように鼻をくんくん鳴らしたニクスが立っていた。
一応、人様の家に入ってきたというのに「お邪魔します」とか一言もなしに相変わらず匂いの元を辿ってキッチンというかミランダの横まで来て、ミランダのかき混ぜている鍋を見つめていた。
物欲しそうに、鍋を見つめているので「食べます?」と声をかけると、すごく嬉しそうに頷いた。