White Witch

よく目を凝らして見ていると、姿を消したと思ったのは泉の中に潜っただけのようで幻でないことにホッとした。

だが、なかなか顔を出してこない。
焦り出した二クスは泉の中に飛び込んだ。



気持ちいい。やっぱり泉に浸かると心が清められる。
そのまま、潜り昨日はいろいろあったと思い返していた。
あんなに人と話したのは本当に久しぶりで、私の事を怖がらずに一緒に居てくれる人に会ったのも初めてかも。そう考えたら、すごく嬉しい。

そんなことを潜っている間目を瞑って考えていると、いきなり左腕を掴まれて強い力で水面に引っ張られる。
なに!!ミランダが軽くパニックを起こして水の中で息をしてしまった。

げほげほ
ミランダが水面に顔を出し呼吸を整えていると、相変わらす左腕は掴まれたまま浅瀬まで引っ張られていく。
大分、呼吸が整ってくると誰に引っ張られているのか見ると、潜っているときに思い返していたニクスだった。

「あの、ニクスさん、どうしたんですか?」
ミランダが困惑ぎみに声をかけると
二クスが引っ張るのをやめ、振り返った。

二クスは目線を合わせず
「いや、てっきり溺れているのかと思って・・・」
ちょっとバツが悪いように言う。

クスクス
「ありがとうございます。」
私が溺れてると思って、助けに来てくれたなんて。
昨日もそうだけと、ニクスさんは優しいな。

ニクスを見ると、バツが悪いのか明後日の方向を見て頬を掻いている。
「あのさ、すげーいい眺めなんだけど、目のやり場に困る。」
ニクスがチラッとミランダを見るとまた目をそらした。

どこかおかしいのでしょうか?
ミランダは全然わかっていなかった。


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