White Witch

2人で背を向けながら、着替えていると二クスはふと疑問に思ったことを聞いた。

「泉で何をしていたんだ?」

「禊(みそぎ)です。毎日、ディアナに祈りを捧げてたんです。」

「しかし、ウラヌスの神はユピテルだろ?」

「はい。この国の神は確かそうですが、私が常にお世話になっている神はこの森なので森の神のディアナに祈りを捧げています。」

「そういうものなのか?」

「わかりませんが、お祖母さまがそうだったように私も同じようにしています。それに、祈りを捧げるとこの森が元気になるんですよ。」

口元しか見えないが嬉しそうに話す。
確かに、この北の森に入ったとき木々が成長しすぎて太陽の光でさえ届きずらくなっていたような気がするが…

「それなら、君は巫女としての力があるのかもしれないな。」

「巫女はそういう力があるんですか?」

「俺もよくわ知らないが、祈りを捧げると国を繁栄に導くって昔から言われ、神職に就けるものは資質がある限られたものしかなれないんだ、そのため神職は王族の次に高い地位を与えられる。」

「知りませんでした。ニクスさんは物知りですね!」

「…常識だぞ。もしかして、今の王も知らないのか?」

「知りません。」

はぁー。教えることがたくさんありそうだ。




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