White Witch
アンカの北の森のまたさらに北にある洞窟の中に2人と1匹はいた。
「ザハル、もっと奥?」
きゅー
「本当にこいつが見つけられるのか?」
「ザハルは頼りになりますよ!私よりも薬草を見つけるの早いんですから!」
自分のことではないのに、すごい胸張っていってるよ。
「そういえば、昨日の傷はもういいのか?」
「はい!一晩でもうすっかり良くなりました。ニクスさんが添え木をしていただいたおかげもあって綺麗に治りました!」
「そんなにすぐに治るものなのか?普通、骨が折れたら一晩じゃよくならないだろう。なにか特別なことをしたのか?」
「いいえ、特には。骨を固定して、少し自己治癒力を促進してくれる薬をあげただけです。ザハルの一族はもともと治癒力が高いので傷が癒えるのは早いんですよ。」
待てよ。よく考えたらこの生き物なんだ?あんま深く突っ込まなかったが…
「で、その…ザハルってなんの生き物なんだ?」
「え?ザハルはネビロスですよ!」
さも当たり前のように言われた…
「羽根の生えた猫ではないんだよな?」
「全然違いますよ!もしかして、ネビロスはご存知ないですか?」
「まったく。」
「今までに見たことありませんでした?けっこう、たくさん居ると思うんですが…」
なんか、疑われてる?
「そんなに、ここでは当たり前の存在なの?」
「私の中では当たり前です!というか、ザハルは私のお友達です!」
って、ちゃっかりザハルも胸張っちゃってるし。
「そんで、そのネビロスって何?俺はまったく見たことも聞いたこともないから教えてくれ。」