White Witch

「もしかして、触りました?!」

ミランダが焦ったように二クスに聞く。

「? わからないけど、探してるときに指先がチクっとしたけど。」

チクっとしたと思われる指を見せながらニクスが言い終わるが早いか、ミランダの行動が早いか、ミランダが二クスの指を咥えた。

ミランダのいきなりの行動に二クスの反応が遅れる。

「い、いきなりなんだ!」

二クスはミランダから指を取り戻そうとする。

「じっとして!毒が吸いだせない!」

ミランダの真剣な声に抵抗を止めじっとする。
何回か、吸い出す行為をすると陸に上がるように言われる。

二クスは毒と聞いてどういうことか聞きたかったがミランダのあまりに真剣な雰囲気に何も言うことができずにただ従うだけだった。

陸へ上がると小瓶に入った液体を飲まされ、指先には消毒と包帯が軽く巻かれた。
一通りのことが終わったのか、ミランダがホッと息をつくと二クスに聞いてくる。

「どこか、異常はありますか?」

二クスの顔色を窺うようにじっと見てくる。

「いや、特には。」

ニクス本人は至って平然としていた。
その返事を聞くと、安心したようにミランダが説明し始めた。

「ニクスさんが見たのは足長ダコと言って毒を持ったタコなんです。見てる分には特に害はないんですけど、外敵に見つかり襲われそうになったときは体から毒の針を出すので今後は絶対に触らないでください!少量でも数分で死に至ってしまいますから!」

そういうことは先に行ってくれ・・・さっきも言ったが。
と、心の中で顔を引きつらせながら二クスは思った。

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