White Witch
魔女の始まり
あれから、二人と一匹はミランダの家に戻り王都に向けて出発した。
「しかし、本当に着いて来るのか?ザハルも」
ザハルはミランダのまわりを楽しそうに飛んでいた。
「ザハルはとてもいい子ですし、迷惑かけないのでお願いします。」
ミランダは申し訳なさそうに頭を下げる。
「はぁ。わかった、ただし人には見られるな。街に入ったら姿を隠せよ。ミランダも、その髪と瞳は見えないように気をつけろ。もし見られたら…怖ーい奴らに連れてかれるぞ。」
ちょっと脅しておけば、気をつけるだろうと思って後半は冗談を言ったんだが…効果ありすぎたか。
ミランダはまだ森だというのにフードを目深にしてまわりを警戒し出してしまった。
「そんなにびびらなくても今は大丈夫。でも、街に着いたら今ぐらいに警戒するんだぞ!」
こくこく
ミランダは何度も頷いた。