White Witch
それに今向っている王都にも魔女と聞いて過剰に反応する奴らが大半だろう、そんな環境に俺はこんな小さな子を連れて行こうとしているのか…ニクスは改めて自分勝手なことをしようとしていると思った。
「すまない。これから行く王都には…多分村で受けた以上の扱いを受けることになると思う…俺の勝手な願いで君を連れ出した、何もしないで人が死んでいくのを見ているなんて…俺にはできなかった。だから、俺が君を守る。全力で君を守る、だから皆を救ってくれ。」
二クスさんがいきなり頭を下げて謝りだして驚いたけど、彼が自分勝手だというなら私だって自分勝手なんだろう。
「私、嫌々着いてきたわけじゃありません。寧ろ、誰か私を外の世界に連れ出してくれるのを待っていたんです。独りでも出ようと思えば出れたのにそれをしなかった…お祖母さまと暮らした森から離れたくなかったのもありますが、私は臆病者なんです。行ってみたいのに独りで行くのは怖くて怖くて…だから、自分勝手なのは私です。だから、二クスさんは謝らないで。私でも誰かの役に立てることも二クスさんが教えてくれたし、私変わりたいんです弱虫で臆病な自分から。」
そう言って、ミランダは笑った。