White Witch
ウラヌスは比較的温かい気候だが、それでも北端の村。
夜はより一層冷え込み、吐く息は白くなっていた。
今宵は満月か国を出たのは確か上弦の月のころだったはず、もうそんなに経ったのか。
一刻も早く魔女を見つけなくては。
そんことを考えていると
がさ、がさがさ
背後の方で木の葉が風とは違う不自然な動きをしていた。
男は警戒し、焚き火に砂をかけ、己の剣を持ち身構える。
音からしてそんなに人数は多くない、単独か。
しかし、妙だ。気配は消してないし、動きが雑。
しかし、音は確実にこちらに近づいてくる。
男は身構えたまま、音がする方を警戒していると、姿を現したのは、黒猫・・いや黒猫に背中から羽根が生えている。
この国でも、いろいろな生き物がいるがこんな生き物は見たことがない。
男はまじまじとその生き物を見ていたら、よく見ると右の羽根が左の羽根とは明らかにおかしな方向に折れている。
そして、その生き物は弱ってふらふらしていた。