多重書きの二等辺三角形

ようやく自分達の順番になった。


奮発して500円を賽銭箱に投げ込む私。


どれくらいの時間を費やしてお願いしていたかわからない。


何回も何回も同じことを祈っていたんだ☆


『ユナ?いくぞ。』


「うん♪」


『ずいぶん長いことお願い事してたみたいだけどなにを祈ったんだ?』


「3年生になったら純ちゃんと同じクラスになれますようにって何度も祈ってたの。」


『えっ、そんな些細なことでいいの?』


「あまり大きなことばかり言ってると足元すくわれるでしょ?」


『なるほど。』


「だから目の前のことからコツコツとだよ♪」


『それもそうだね。』


嘘だった。


本当は…


来年も再来年もずっとずっとこうして一緒に過ごせるようにって祈ってたんだ。

< 133 / 400 >

この作品をシェア

pagetop