多重書きの二等辺三角形
(カラン…)
カンピオーネのドアを開くと、そこは確かに古びた喫茶店だった。
でもその古さの中には、あたたかさがあって…
木目調の椅子とテーブルは優しさに満ち溢れていたんだ♪
わぁ、いい匂い♪
コーヒーの匂いと、木の匂いを感じた。
「純ちゃん、こんないいお店を知ってるのに何で今まで教えてくれなかったのさ〜。」
『ごめん、ごめん!こんな古びた喫茶店に連れて来ても喜ばないと思ったからさぁ。』
『古びたお店で悪かったね、純平くん。』
『あっ、マスター!!』
『ひかりちゃん、純平くん久しぶりだね。中学以来かな?』
そこには鼻の下にヒゲがある優しい雰囲気のおじさんが立っていた。
年齢はう〜ん…40代から50代って感じかな?
蝶ネクタイをビシっと締めていて…
いかにマスターって感じの人だった。