多重書きの二等辺三角形
「その体で私を抱くんだね。ひかりさんにしたように、ひかりさんを愛したように…そんな風に私に触れるんだね?」
自分でも不思議なぐらい思ったことをどんどん口にしていた。
『ごめん。』
「ねぇ、純ちゃん…。いつもあなたはどこを見てるの?私なんかじゃなくて…もっともっと違う人を見てるんじゃないの?すごく遠い目をしてるよ。まだひかりさんのことが好きなの?」
『そんなわけないだろ!俺はユナが好きだ。』
「じゃあなんで内緒にしてたのよ!!なんで教えてくれなかったのよ!!」
『言わなかったのは本当に悪いと思ってる。心配かけたくなかったんだ。』
「内緒にされるほうが心配だよ。」
私は純ちゃんの部屋を飛び出していた。