多重書きの二等辺三角形

「ねぇ、恵美。」


『どうしたの?』


私はこの日、恵美と帰っていた。


「純ちゃんとひかりさんが付き合ってること教えてくれてありがと。」


『うん…。受け入れられた?』


「…どうかなぁ。過去のことだってことはよくわかってるんだ。でもね。やっぱり考えちゃうの。考えちゃうんだ…。」


『そっか。』


「昔はどんなデートしてたんだろうとか、なんで別れちゃったんだろうとか、なんで普通に今笑ってられるんだろうとか…本気で考えちゃうんだ。イヤな女だよね?こんなの最低な女だよね?」


『ううん、そんなことないよ。』

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