多重書きの二等辺三角形
「いいのって?いいに決まってるじゃん!!」
『行っちゃってもいいの…?私パリに行っちゃってもいいの…?純平とまた離れなくちゃいけないんだよ?』
あっ…。
『私、ずっと純平が好きだった。ずっとずっと。』
なんで今更そんなこと言うんだよ。
そんなことひかりが言い出すから…隠してた気持ちが今飛び出しちまったじゃねーかよ。
お前のことが“好き”って気持ち。
ユナかひかりか…答えなんて出てたんだ。
あの日、ひかりが俺とユナの前に転校してきた瞬間から。
でも俺はどっかで認めたくなかった。
イヤっ、認めちゃいけないって思ったんだ…。