多重書きの二等辺三角形
「ひかり!俺もずっと好きだった。俺にはやっぱりお前しかいないんだ。」
“好き”
1番短くて、1番難しい言葉。
俺は、やっと言えた気がする。
やっと逃げないで向かい合えた気がする。
今まで自分を騙してきた。
前に進まない理由を靴のせいにしてきた。
もっといい靴があればって。
でも違うんだ。
それは逃げなんだ。
難問がわからなければ偏頭痛のせいにしてきた。
「この問題は後回し!」
そんな感じだった。
そういう“逃げ”を繰り返し、周りを傷つけてきたんだ…。