多重書きの二等辺三角形

「それでもひかりさんが好きなんだね?」


『…。』


「もう私に嘘つかないで。」


『……。』


純ちゃんは無言になった。


「答えて。私もう逃げたりしないから。ちゃんとこの心で、ちゃんとこの目で…純ちゃんの言葉しっかり聞くから。受け止めるから。」


私は目をそらさず、しっかりと純ちゃんを見た。


『…好きだ。本気でひかりが好きだ。』


目をそらしたくなった。


負けそうになった。

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