多重書きの二等辺三角形

「………。」


『……ユナ?』


ダメだ。負けるもんか。


しっかり見届けるんだ。


「わ……かった。」


唇が震えた。


『ごめん。』


「ねぇ、私ひかりさんより早く出会いたかったよ。1年…ううん、たった1日でも1秒でもいいの。ひかりさんより早く純ちゃんに会いたかったよぉ。そしたら純ちゃん…私のこと好きになってくれた?1番にしてくれた…?答えてよぉ。」


涙をこらえるのが必死だった。

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