多重書きの二等辺三角形

ゆっくり私のペースに合わせて歩いてくれる円城寺くん。


「ねぇ、円城寺くん。」


『ん?どうした?』


「私ね。円城寺くんのことばっかり考えてる。最近いっつも考えてるの。」


『急にどうしたよ。』


こんな発言…少し大胆だったかな?


ブレーキかけたほうがいい?


…でも止まらなかったんだ。


「これから円城寺くんのことたくさん知っていきたいし、私のことだって知ってもらいたいって思ってる。」


ヤダ…口がどんどん先走りしてる。


『うん。それは俺も思うよ。』


「彼女にしてなんて大それたことは言えないけど…彼女候補だけにでもノミネートさせてもらえないかな?」


『んっ、どういう意味?』


「つまり…その…2週間。いやっ、1週間でいいの!!!お試し期間として私を彼女にしてもらいたいの。その中で私を知っていってほしい!!もちろんそれでダメだなぁって思ったらクーリングオフしてもいいし!」


『クーリングオフって…。(笑)』


「でも…案外いい子じゃんとか思ってくれたとしたらそのまま付き合ってほしい。ダメかな?お試し期間。」


円城寺くんは黙ってしまった。

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