(禁断)瞳を閉じて。【完】
遥にも、美咲さんたちにも、伝えてはある。

もちろん、“内緒にして”という前提で。

優君、彼は身勝手な私にも優しかった――。

―「海ちゃんが決めた事に、反対はしないよ?もしも、お父さんやお母さんに頼みづらかったら、いつでも連絡して来て!力になるから」―

そう言って……背中を押してくれた。

その優しさはきっと、私の寂しさに気付いてくれてるからだよね。

涙が出さず、顔にも見せなかった気持ちを、見透かして……。

陸兄より、お兄ちゃんらしい。

…本当に、ありがとう。

だから、貴方にだからこそ、お願いした。



「空を、よろしくお願いします」



―――そう、お願いした




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