(禁断)瞳を閉じて。【完】
*キス*
私は空兄の背中を押しながら、Uの字みたいになった階段を上がる。
「眠っ…ふぁ…」
空兄は仕事で疲れてたのに、付き合わせた私は申し訳なくなる。
「はい、着くよー」
私がそう言った瞬間、ドンッと聴こえた。
「へ?」と、驚いてるうちに、私は空兄とともに階段の下に転げ落ちる。
「ンッ―――…」
空兄が階段を踏み外したのは、仕方ない。
眠たくて、お酒も入ってたから。
「そ…ら…兄……」
「……わりぃ……」
無言のまま、私たちはしばし見つめ合う。