(禁断)瞳を閉じて。【完】



病院に着くと、妊婦さんがたくさんいた。

旦那さんに付き添われた人も、中にはいて、何だか豊先輩に罪悪感を感じた。

彼氏でもないのに、付き合わせてしまった。



「いずれは俺も、この人たちの仲間入りなんだ」



豊先輩は、私の隣に座ると、椅子の背凭れに体を預けながら、辺りを見渡した。



「居心地…悪いですよね?
本当、すいません…」



「大丈夫。これは予行練習(笑)」



笑顔の綺麗に、今まで彼に惚れて来た人たち、遥の気持ちがわかった気がした。

とても癒される。

心が、ホッとした――…。
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