(禁断)瞳を閉じて。【完】
「良い機会だと思う。それと…お願いがあるんだ」



「ん…?」



「空さんには言わなくても良い。
ただ、陸には本当の事を言ってやって?もう、親友の悲しむ姿は見てられない」



私は招待状を強く握り締めた。

優君の優しさに、甘え過ぎてた。

陸兄は、私によくしてくれた。

祝福だってしてくれた。

…何、してるんだろう…。

私は人の恩も忘れて、仇(あだ)を返してる。



「うん…帰る…っ…」



一度だけ、帰る。

両親にも、正直に言う。

美咲さんと洋介さんをお祝いしに行く。

空の笑顔に――会いに行く。
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