(禁断)瞳を閉じて。【完】
「海ちゃん…」と、優しく背中を押された私は、ゆっくりと陸兄に近付いた。



「海…」



「陸兄…ごめんね…」



互いに手を伸ばし合うと、ガッチリと繋がれた。

「お前、何してたんだよ…」と、顔を隠した。

泣かせてしまった。

胸がチクリと痛む。



「積もる話は入ってから!
海ちゃんも立ちっぱなしは辛いでしょ?」



優君は私たちを手招きする。

私は「大丈夫だよ」と伝えて、キッチンに戻る。

一先ず、料理を終えないと。

立ちっぱなしなのは、本当は辛かったけど。




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