(禁断)瞳を閉じて。【完】
赤ちゃんは悪くないのに、私は子供まで苦しめてるのだろうか。

大人しくなったお腹に手を触れ、そっと撫でる。



「撫でても良いか…?」



すると、陸兄が立ち上がって訊いて来た。

私が頷くと、目の前に屈んだ。



「…ごめんな…。叔父さん、お前が産まれるの待ってるから、許してくれ…。ママをちゃんと、支えてやるから…」



「…ッ…」



私は口元を抑え、陸兄から目を逸らした。

止めどなく涙が流れ落ちる。

再び暴れ始めた我が子。



「おー、蹴ってる蹴ってる(笑)」



…叔父さんを、許してくれるんだね。
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